熱中症対策

 高齢者は、炎天下で起きることが多い若い世代と違い、室内で人知れず熱中症になり、気付かれたときには重症化しているケースが増えています。高齢者は、熱中症弱者であり、効果的な予防策をとっていくことが必要です。症状は、めまいや立ちくらみ、生あくび、大量発汗などで始まります。ただ屋内では症状がゆっくり進みため、周りも本人も気付きにくいことが特徴です。高齢者になると体内の水分量が少なくなりますが、のどの渇きを感じにくく、水分補給も遅れがちになります。汗をかきにくく、熱が体内から逃げづらい状況にあります。暑さも感じにくく、エアコンをつけずに気付いた時には熱中症、というケ-スも少なくありません。
 熱中症予防には、まずは水分と塩分をこまめに補給することが大切です。日本救急医学会の指針では、0.10.2%の薄い塩分水を勧めています。スポ-ツドリンクもいいのですが、糖分が多いので、梅昆布茶やみそ汁などが予防に有効です。三度の食事をとっていれば塩分はけっこうとれているので、水分を意識すればいいとされています。起床時や夜寝る前にコップ1杯、食事やおやつのときなど、一口でも二口でもいいので意識して水をとることが大切です。熱中症は梅雨明けに急増します。体が暑さに慣れていないためで、暑さに備えた早めの体づくりも効果的です。

(2015年6月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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