特別養子縁組

 特別養子縁組とは、実の親が育てられない子どもと子どもを望む夫婦(養親)が、法的な親子となる制度です。この制度は、貧因や虐待などで親が育てられない子どもが、安定した新たな家庭を得られるようにする仕組みとして開始され、増えてきています。悪質なあっせんを排除するため、民間事業者を規制する法案が、参議院厚生労働委員会で可決されました。
 貧因や虐待などで保護を必要とする子どもは約46千人いますが、現状では約9割が児童養護施設などで暮らしています。国は、より家庭的な環境での養育を増やそうと、児童福祉法を改正しています。特別養子縁組と里親制度を重要な選択肢として明文化しました。仲介は児童相談所と民間事業者が行っています。しかし、児童相談所での促進には限界があります。民間事業者の質を担保し、行政と連携していくことが現実的な対応です。あっせんの質や透明性を担保する法律と監査機関をつくった上で、民間事業者が実費徴収に頼らず運営できるよう財政支援が必要となります。

(2016年11月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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