産婦人科・産科施設の減少

 産婦人科の減少に歯止めがかかりません。厚生労働省の調査では、2013年に産婦人科・産科を掲げた病院は、以前より12施設少ない1375施設となり、23年連続で減少しています。産婦人科と産科を合わせた施設数は、1990年には2459施設もありましたが、08年には1500施設を割りこみ、それ以降も減少しています。
 全国の産婦人科・産科医は、06年に過去最少の174人に減少しました。国は、分娩手当を支給する施設や産科を志す若手医師の育成を行う医療機関に助成を行うなどしており、12年には1868人に増えました。日本産科婦人科学会の調査によれば、福島、千葉、岐阜、和歌山、広島、山口、香川、熊本、大分の9県では、産科医不足が深刻な状態です。人口10万人当たりの産科医は、全国平均で7.6人ですが、最も少ない茨城(4.8人)と最も多い東京(11.1人)では2倍以上の開きがあります。産婦人科医・産科医の地域格差や若手の担い手不足は危機的な状態にあり、勤務環境などの一層の改善が必要と考えられます。

(2015年5月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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