発達障害に対する支援

 日本学生支援機構の調査によれば、全国の大学で発達障害を持つ大学・大学院生は、2014年度に13045人と06年度の3倍に増えているそうです。特に近年目立ってきた発達障害は、自閉症やアスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害などです。中でも自閉症やアスペルガー症候群の学生は、知的能力は高いのにコミュニケーションや臨機応変な対応が苦手で、学業に支障が生じる場合がでてきます。
 4月施行の障害者差別解消法は、公共機関や民間企業に対し、障害を理由にした不当な差別的取り扱いを禁じ、過度な負担にならない程度で合理的配慮を求めています。合理的配慮について、国公立大は法的義務、私立大は努力義務となっており、各大学は体制整備を急いでいます。発達障害は自己評価が低い人が多いこともあり、正当な評価がされにくくなっています。企業側に働きかけて、正しい知識や必要な配慮を知らせることにより、彼らが能力を発揮しやすい場を広げることが大切です。障害者差別解消法の施行が、障害者雇用の必要性やメリットを認識する契機になれば良いと思われます。

(2016年3月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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