睡眠障害の判断

 夜間に眠れなかったり、日中に寝入ったりする睡眠障害で治療が必要な人は、1700万人にのぼるといわれています。睡眠障害には様々な症状があり、2014年に公表された国際分類では、最も代表的な不眠症をはじめ大きく7つのグル-プがあります。日本で不眠の症状を訴える20歳以上の人は、ざっと3500万人と推定されています。このうち治療が必要な人は、軽度の睡眠障害の約1000万人、中等度以上の約700万人とみられています。
 最もよい対策は日中の生活の改善です。以前に比べ眠れなくなったと心配すると、ますます眠れなくなります。無理に長時間眠る必要もありません。たくさんの睡眠薬が開発されていますが、眠れなくなったといってすぐ睡眠薬に頼るのは、避けた方や良いと思われます。特に広く使われているベンゾジアゼピン系には注意力を散漫にし、時にふらつきを起す副作用が指摘されています。薬物依存を招きやすく、長期の服用が健忘症を引き起こす危険も潜んでいます。症状に合わせて的確な睡眠薬を服用するうえでも、専門医による診断が大切です。

(2015年5月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。