社会的な卵子凍結

 千葉県浦安市は、順天堂大学浦安病院と共同で進める卵子の凍結保存研究で、女性4人の卵子凍結を承認しました。健康な女性が将来の妊娠に備える卵子凍結の是非は、出産の先送りを助長するとの批判もある中、全国初の公費助成による卵子凍結が始まることになります。市は少子化対策の一環として考えています。
 凍結保存は、がん治療の副作用などによる不妊を避ける理由で始まりました。しかし、晩婚化が進む中、加齢で妊娠しにくくなる卵子の老化が知られるようになり、健康な女性も希望するケースが増えてきました。浦安市は2015年7月から共同研究を開始し、15年度から3年間で計9千万円の補助金を交付する予定です。対象は市内に住む採卵時20~34歳の女性で、妊娠を目指すための凍結卵子を使う場合は、45歳までとしています。採卵や凍結、保管にかかる費用は施設によって異なりますが、1人1回50万~60万円程度が必要となります。補助を受ければ、自己負担は10万円程度になります。

(2016年3月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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