科学論文のあり方

学術研究を発表する際、科学論文は極めて重要である。最近、データの捏造や改ざんなどが大きな問題として取り上げられている。論文に掲載される画像は実験結果を示す重要な証拠であり、画像の捏造や改ざんなどの不正は、わが国の学術研究の国際的な信頼も揺るがす大問題になりかねない。最近では画像編集ソフトにより、自らの結論に合うように画像処理をし、編集し直すことも可能である。

 科学論文の捏造は、研究者の研究生命を絶つばかりか、学術研究の芽を摘むようなことになりかねない。韓国のHwang教授によるクローンES細胞の捏造は、この領域の研究の進展を3~4年間遅らすことになったのは記憶に新しい。若い研究者の方々には、性急に結果を求めるのではなく、純粋に科学に親しむ気持ちを忘れないで欲しい。

(2013年12月27日朝日新聞)

(吉村 やすのり)

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