脳卒中と介護

 日本人の死亡原因で4位の脳卒中は、介護を必要とする原因ではトップに位置づけられています。認知症(15.8%)や高齢による衰弱(13.4%)を上回っています。脳卒中は、寝たきりの原因でも最多の35.7%を占めています。脳卒中は、脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血の3種類に分かれます。
 脳動脈瘤が破裂して起きるくも膜下出血では、激しい頭痛や意識障害が起こりますが、通常手足などの麻痺は出ません。脳梗塞の中でも心原性脳塞栓症というタイプは高齢者に多く、重症化しやすい傾向があります。心原性脳塞栓症は、不整脈の一種である心房細動により、心臓や大動脈でできた血栓が脳に流れてきて血管につまることで起きます。脳卒中では最も頻度が高く、4分の3を占めています。脳内出血は高血圧が原因であり、以前は最も高い発症頻度を示していましたが、現在では2割以下です。生活習慣の改善、高血圧や糖尿病などの基礎疾患を悪化させないことが再発予防につながります。

(2016年2月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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