臨床研究の不正―東大の対応―

降圧薬ディオバンの「VART研究」、白血病治療薬の「SIGN研究」、アルツハイマー病研究の国家プロジェクト「J-ADNI」などの東京大学が関与する大規模な臨床研究において、マスコミから数々の不正が指摘されている。臨床研究における疑惑が指摘される時、施設機関において直ちに調査委員会が設置されるが、施設内の委員会の調査には限界がある。

東京大学医学部の学生5人が東大総長の濱田純一氏あてに、公開質問を送ったとのことである。大学側は、これを受け教員と学生が参加する「臨床研究の倫理と適正な活性化の方策について考える会」をつくり、そこで問題点を検討するという。臨床研究に携わる研究者は、学生たちの「患者さんを救う真摯な医療を果たして将来国民の信用を得て実践できるのか」という指摘を謙虚に受け止めるべきであろう。

(吉村 やすのり)

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