若い男女が希望する子どもの数

 厚生労働省が、2130歳の独身男女を対象に行った調査によれば、将来的に子どもを希望しない人の割合が男女とも10%を超え、10年前に比べて増加していることが明らかになりました。自分の時間を優先し、子どもに対する関心そのものが薄れている傾向がうかがえます。独身の男女に対し、将来子供を何人希望するか聞いたところ、2003年の調査では0人と回答した男性は8.6%、女性では7.2%でしたが、2013年の調査では男性が15.8%、女性が11.6%に増えています。子どもを希望しないと答えた人に子ども観を尋ねたところ、自由な時間を持てなくなるとの回答が最も多く、感じていることは特にない、出費がかさむが続いています。結婚意欲の低下もあり、子どもへの関心が低くなっていると思われます。
既婚の男女が希望する子どもの数は、多かった回答は2人で、男性は43.0%、女性は55.9%であり、前回とほとんど変わっていません。このように、結婚している男女が希望する子どもの数は23人ですが、独身の男女は子どもを欲しくない傾向が増えています。わが国では結婚しないと子どもをもうけない傾向が強く、婚外子の割合は2%前後です。少子化を打破するには、やはり結婚への踏み込みが必要であり、若い男女が結婚できるような社会的な環境整備が大切となります。そうでないと若い男女は、ますます結婚しなくなり、子どもをつくらず、少子化にさらに拍車がかかってしまいます。

(2015年8月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。