財務省による教員削減策

 財務省は、2016年度予算の編成作業で、国立大学に授業料や寄付金などの自己収入を年間で1.6%増やし、小中学校の教員数は今後9年間で約37千人減らすことを求めています。文教政策では、国立大学の収入のうち、国が配る運営費交付金が5割超を占める現状を問題視しています。自己収入を年1.6%増やす一方で交付金を年1%減らし、2015年間で交付金と自己収入を同額程度にすべきだとしています。
 2024年度の小中学生の数は、今より94万人少ない875万人に減る見通しです。少子化に合わせて人件費を削り、国の借金増に歯止めをかけるねらいです。小中学校の教員数を減らしても、現在の教育環境は維持できるとしています。相次ぐいじめや不登校などの対応のため、忙しい教育現場は反発することが予想されます。OECDの調査でも、日本中学校の教員の勤務時間は、週に54時間余りで、34ケ国中最も長いとされています。授業以外に事務作業や会議などが大変で、もっと子どもと過ごす時間を多く作ってほしいと思います。新アベノミクスでは、希望出生率1.8を目指すとしていますが、少子化の進行により、教員を減らすというのはいかがなものでしょうか。

(吉村 やすのり)

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