遺伝子解析による抗がん剤選択

 米国立保健研究所(NIH)は、がん細胞の遺伝子を解析して、その結果により効き目の高い抗がん剤を選ぶ、新しい治療法の開発に乗り出しています。これにより、胃や肺など臓器ごとに開発された抗がん剤を、がんの原因となる遺伝子異常の組み合わせに応じて処方することができるようになります。患者に最適な抗がん剤を処方できるようになるとともに、現在臓器別に行われている治療を根本的に変えることができるかもしれません。
標準的な治療で使われている抗がん剤が効かなかったがん患者約3千人から、がん細胞を摂取し、がんに関係する143個の遺伝子の4千カ所以上の部分を網羅的に解析します。見つかった遺伝子異常の組み合わせに対応して別の抗がん剤を投与する臨床試験を行うことにしています。将来的には、臓器別に分類されている現在のがんの概念が、遺伝子異常のパタ-ンに応じた分類に変わる可能性も出てきます。

(2015年7月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

 

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