都心総合力

 森記念財団都心戦略研究所の調査によれば、2015年の都心総合力は、世界の主要8都市のうち東京が都心10キロ圏の比較で首位となったそうです。米経済誌フォーチュン選定のトップランキング企業や高級レストランが多いのが特長です。一方で劇場やホール、公園・緑地の少なさが弱みとされています。2位はパリ、3位は香港でした。都心総合力調査は、都心の競争力の源泉である都心エリアに的を絞り、主に経済や生活の機能集積の度合いを計20指標で分析しています。
 東京は、高速道路や地下鉄など交通インフラの充実も強みですが、高級ホテル数や空港へのアクセスの利便性などが弱点として残ります都市の活力の一要素とされる高さ100メートル以上のビルの数も増えていますが、他都市に比べればまだ少ないのが現状です。これらのデータは、東京一極集中の結果です。日本ほど、一都市にこれだけあらゆる機能が集中する国はありません。自然災害が東京に起こった場合、わが国のほとんどの機能はマヒしてしまいます。あまり喜んでばかりはおられません。地方への機能の分散化を考えるべき時期に来ています。

(2016年3月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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