食物アレルギー

 食物アレルギーのある子どもが増えています。文部科学省が2013年に調査したところ、全公立小中高校の児童生徒の4.5%にあたる407千人あまりに卵や小麦などの食物アレルギーがあり、2004年前回調査より2割増えています。自治体や企業はさまざまな対策を講じています。最近の給食センターでは、アレルギー食品の混入を防ぐため、専用のトレーや容器を用いたり、調理室にエアシャワーを取り付けたりしています。食物アレルギーに配慮した商品の開発に力を入れる企業も増えています。卵や牛乳、小麦、そばなどアレルギーを起こしやすい食品7品目を使わない商品の生産を始めている企業もあります。

食物アレルギーは6歳以下の乳幼児が患者数の80%を占めており、1歳に満たないお子さんでは1020人に一人が発症していることになります。子どもに多いのは、成長段階で消化機能が未熟で、アレルゲンであるタンパク質を分解できないことが一つの原因であると考えられます。成長にともなって消化吸収機能が発達してくるとアレルギーも回復してきます。しかし、中には大人になっても症状が続く場合もあり、幼児期後半以降に発症したアレルギーは治りにくいとされています。

(2015年 1月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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