高血圧治療ワクチン

 大阪大学は、血圧を上げる物質の働きを弱めることで、高血圧を治療するワクチンの開発を進めています。血圧を下げる薬は既にたくさんありますが、毎日飲まなければなりません。飲み忘れると血圧が上昇し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。一度飲み始める止めることがなかなか出来ないため、ほぼ一生飲み続けることになってしまいます。今回のワクチンが人に応用できれば、年に1.2回の投与で済むとみられ、患者の負担を減らすことができます。
 血圧を上げる働きを持つ物質アンジオテンシンⅡに着目し、アンジオテンシンⅡと別の物体が一体となったタンパク質を作り出す遺伝子をワクチンとして体内に投与します。投与後、免疫細胞がこのタンパク質を認識し、アンジオテンシンⅡの機能を弱める抗体を産生します。この産生された抗体がアンジオテンシンⅡの作用を弱める事になります。ワクチンに含まれるアンジオテンシン2は、血圧を上げないようにしてあります。ワクチンを高血圧ラットの皮下の注射したところ、血圧が2割ほど低下し、注射しなかった高血圧ラットと比べると寿命が平均2カ月半ほど延びたと報告されています。

(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。