103万円の壁と130万円の壁

 人事院の調査によれば配偶者手当は、平均年額167千円です。妻の年収が103万円を超えると、配偶者手当の分だけ夫の収入が減ります。103万円を超えた金額に対しては所得税がかかり、また100万円を超えると住民税もかかります。つまり、103万円を超えると所得税と住民税の両方が課税されます。これが妻が働く時間を調整する誘因の一つになっています。これが103万円の壁です。
 一方、妻の収入が130万円を超えると、夫婦の手取り額が減ります。それは妻が、夫とは別に社会保険に加入する必要が出てくるためです。これが130万円の壁です。妻の年収が160万円程度までは、手取り額は元の水準に戻りません。夫婦の手取り額の増加をはっきり認識できるのは、妻の年収が200万円台になってからです。今のパートの時給水準では、年収200万円は容易ではありません。

(2016年11月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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