先進医療とは

 日本の公的な医療保険制度は、原則として安全性と有効性が確立した治療法しか使えないことになっています。しかし患者の中には、まだそれらが確立していない新たな治療法である先進医療を試したいという要望もあります。そこで治療の選択肢を広げようと、例外的、暫定的に新技術の使用を認める先進医療制度が用意されています。先進医療は、公的保険がきかず全額患者負担になりますが、検査や入院など通常の医療と共通する部分は保険が使えるようになります。保険が利く診療と利かない診療を組み合わせる混合診療の一種です。
 新技術は専門家でつくる厚生労働省の先進医療会議が、一定の審査をしたうえで使用を認めています。7月時点で109種類の技術が対象となっています。有効性・安全性が確立したと認められれば、これらの新技術も保険が利く治療に移ることができます。陽子線や重粒子線によるがん治療、支援ロボットダビンチを使った手術、などがあります。また、患者の希望によって、未承認の薬などが使える患者申し出療養制度も始まります。

(2015年7月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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