医療メディエ-ション

 医療メディエ-ションとは、患者側と医療者側、双方の理解や認識のしかたに認知齟齬と呼ばれるずれが起こりやすいことを医療者側が念頭において、医療メディエ-タ-と呼ばれる人が双方の対話を支援する立場でかかわり、互いの認知・理解のずれを克服していこうとするモデルのことを指します。看護師らが中立的な立場で話し合いに加わり、不満や怒りをすくい上げることになります。医療事故が一向に減らないなかで、その役割は増してきています。
 メディエータ-は病院職員であることが多くなりますが、この場ではあくまで中立的な立場をいいます。医者と患者の関係がこじれると、感情的に怒りや不安をぶつける患者、難解な専門用語で説明する医師という対立構図で、溝が深まりがちになりますが、問題点を整理し、冷静な話し合いができるような状況を作り出します。医療メディエ-ションは、すでに英国や米国で導入されています。日本では2005年、公益財団法人の日本医療機能評価機構が医療メディエ-タ-の養成を始めました。現在は社団法人日本医療メディエ-タ-協会が、研修を受けて申請した医療者を認定しており、今年6月までに約3500人が認定を受けています。

(2015年7月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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