腹腔鏡下手術とは-Ⅰ

 腹腔鏡手術は、先端にカメラがついた腹腔鏡と鉗子やメスなどがついた手術器具を、おなかに開けた1cm前後の複数個の穴に入れて、がんなどの病巣を取り除く手術です。医師は、カメラの画像が映ったモニタ-を見ながら、腹腔鏡や鉗子などを操作します。がんなどの摘出手術が必要になったとき、医師から腹腔鏡などの内視鏡を使った外科手術を勧められるケ-スが増えています。傷が小さく、患者の負担を軽減することができますが、同じ手術でもおなかを大きく切る開腹手術とは、医師にとっても必要な技量などが異なります。
 20歳代後半から30歳代後半に多い子宮内膜症など婦人科系疾患では、腹腔鏡の利用が手術の中心になっています。内視鏡を使う手術は、婦人科系以外にも胃、食道、大腸がん、泌尿器系の疾患など多くの臓器の手術で実施されています。年々その手術件数は、増加しています。実際、内視鏡を使った外科手術の症例数は2013年で約18万件と、10年前に比べて約3倍になっています。実施する疾患や対象となる臓器などの種類も増えています。

(2015年7月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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