日本医科大チ－ム調査によれば、中高生にあたる12～18歳の子供では、経済水準が低いほど肥満割合が高いことが明らかになりました。家計支出の多いグル－プと少ないグル－プでは3倍超の差がありました。欧米では親の経済状況が子供の肥満に影響するとの研究結果があり、日本でも同様の傾向が出たことになります。栄養バランスが偏った食生活が原因とみられ、食育指導などの対策が求められます。全国から無差為抽出した青年期（12～18歳）と学童期（6～11歳）それぞれ約400人を対象に実施しています。
肥満の割合は、最も低いグル－プ（月平均16.5万円）では15.1％であり、最も高いグル－プ（月平均45.2万円）の4.8％に比較すると、3倍以上高い値を示しています。一方、学童期では家計支出の多寡による肥満割合に明確な差はみられませんでした。欧米では、安価なファストフ－ドを多く摂取することなどが原因で、貧困層に肥満の割合が高いとの多くの研究結果が公表されています。研究チ－ムは日本でも同じような要因があるとしています。一方、学童期で差が出なかった理由については、学校給食の存在があると分析しています。
（2015年8月10日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
