戦後70年の人口構造の変化

 平均寿命は、この70年で男女ともに30年以上延長しました。戦後まもない1947年には、50歳代であった平均寿命は、2014年現在男性80.50歳、女性86.83歳に達しました。しかしながら、健康上の問題が無い状態で日常生活を送ることができる健康寿命は、平均寿命より1012年短いとされています。今後は健康寿命を延ばすことが課題です。
 生涯未婚率としては、50歳時の未婚率を示しており、戦後は男女ともに2%以上でした。しかしながら2010年現在男性が20.1%、女性が10.6%に達しています。今後は、晩婚化や非婚化により、さらに生涯未婚率が上昇することが予想されます。単身世帯とは、未婚や別居・離婚・死別・子の独立などにより、単身で暮らす人のことです。生涯未婚率の上昇とともに単身世帯割合も、2014年には戦後の5倍超の27.1%に増加しています。すでに東京都の単身世帯の70%が高齢女性単身者です。
 半世紀前には65歳以上のお年寄り1人をおよそ9人の現役世代で支える胴上げ型の社会だった日本は、現在騎馬戦型の社会になっています。このままの状態が続けば、2050年には肩車型の社会が到来することになります。少子化問題は、わが国の喫緊かつ最大の課題です。

(2015年8月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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