受動喫煙の歯周病に対するリスク

 国立がん研究センタ-と東京医科歯科大の共同研究チ-ムは、受動喫煙の歯周病に対するリスクについて調査を行いました。それによれば、自分でたばこを吸わなくても、副流煙にさらされる受動喫煙が続くと、男性の場合は歯周病にかかるリスクが3倍以上に高まることが明らかになりました。喫煙者が歯周病になりやすいことは知られていますが、男性は受動喫煙でも同程度のリスクがあることが判明しました。
 男性の場合歯周病になるリスクは、たばこを吸わず受動異喫煙経験も無い人に比べ、たばこを吸わず家庭で受動喫煙経験がある人は約3.1倍、たばこを吸わず家庭に加えて職場でも受動喫煙経験がある人は約3.6倍でした。喫煙者は約3.3倍で、受動喫煙のリスクは喫煙とほぼ同じでした。しかし女性の場合、喫煙・受動喫煙ともに歯周病の発生割合に明確な関連はみられませんでした。たばこのニコチンは、歯周病を引き起こす歯周病菌の発育を促し、病原性を高める働きがあります。喫煙自体も検疫力を低下させ、歯を支える組織の破壊を助長することにより、歯周病菌に感染しやすくなることが知られています。

(2015年9月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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