医療事故調査制度開始

 医療事故調査制度が10月から開始されます。この制度は、全国の病院や診療所に対し、診療行為に関連した患者の予期せぬ死亡事例や死産があった場合、①第三者機関への報告②院内調査の実施③遺族への調査結果の説明を義務付けることにしています。医療機関からの報告を受け付ける第三者機関を、医療事故調査・支援センタ-に指定しました。
 医療事故調査制度は、医療関係者と患者・遺族とが互いに抱く不信感の解消に向けた取り組みとして注目されています。しかし、この制度では、患者が死亡するリスクを事前に説明していたり、カルテに記載していたりしたケ-スは、第三者機関に報告する義務はありません。その判断は病院管理者に委ねられており、遺族にとっては形式的な説明しかなくても、調査対象外とされてしまう可能性が残ってしまいます。院内調査の結果を遺族に説明する際、報告書を渡すことも努力義務にとどまっています。

(2015年9月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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