予防接種に関する特集―Ⅰ

その役割

 予防接種の大切さについて月刊母子保健に特集されています。現在の日本は、世界で乳児死亡が伝染病(感染症)といわれる病気にかかってなくなっていた時代は、そう昔のことではありません、以前たくさんの乳幼児が、伝染病を初めとする感染症にかかり亡くなっていました。たとえば赤ちゃんにとって麻疹や百日せきは、大変死亡率の高い病気でした。その他、気管支炎や肺炎、下痢など感染症がひきおこす症状が原因となり、多くの赤ちゃんが命を落としていました。そのような時代の中で、1948年に予防接種法が制定されたことで、予防接種が普及し、また衛生環境や栄養状態の改善などもあり、感染症の大きな流行は次第にみられなくなるとともに、乳幼児の死亡率も次第に下がっていきました。
 その後1999年に、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する感染症法)が施行されました。医学が進歩した現在でも、すべての感染症に対して治療がすべて万能というわけではなく、予防接種のある感染症は予防接種で防ぐのが最良の方法なのです。治療によって感染症をなくすことはできませんが、予防接種により病気を根絶することはできます。

(月刊母子保健第678号 平成27年10月1日)
(吉村 やすのり)

 

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