医療費の抑制

 医療費は年々増加しています。2014年度の国民医療費は、前年度比7000億円増え、初めて40兆円に達しました。政府は、来年度予算編成では社会保障費の抑制策を考えています。政府は高齢化に伴う増加分について、概算要求で6700億円増から5000億円増に抑制する考えです。最大のタ-ゲットは、年末の診療報酬改定です。診療報酬とは、診察、手術、調剤などの医療サ-ビスに対して医療保険から支払われる報酬のことです。医師や薬剤師の技術料にあたる本体と医薬品などの薬価からなります。診療報酬を全体で1%引き下げると、国庫負担は1100億円減るとされています。
 引き下げが検討されている調剤医療費は年約7.2兆円であり、年約40兆円の医療費の約18%を占めています。内訳は薬そのものの費用である薬剤費が約5.4兆円、薬剤師の調剤に支払われる技術料が約1.8兆円です。近年の薬局への風当たりには厳しいものがあります。いずれにしても医療費は、25年度には61兆円に達する勢いです。痛みは伴いますが、数々の医療費抑制策が必要となります。

(2015年10月4日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)

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