児童虐待―Ⅳ

妊娠時からのケアの必要性

 2013年度に児童虐待による死亡が確認された子どもは69人です。このうち無理心中以外の36人のうち、0歳児が4割強を占めています。加害者の4割強が実母で、望まない妊娠だったケ-スも多く、妊娠期からの支援の重要性が指摘されています。心中以外で虐待死した36人の年齢は、0歳が最多の16人で、生後24時間以内も4人いたことが明らかになりました。 妊婦健診審査の未受診が10人、望まない妊娠が8人であり、虐待する実母は妊娠経過中より大きな問題を抱えていたことがわかります。
虐待の発生と重篤化を防ぐために、妊娠から出産、子育てまでの切れ目のない支援が必要です。厚労省は、妊娠期から出産後の子育てまでの相談を一括して保健師らが受ける子育て世代包括支援センタ-を増設することにしています。大阪府立母子保健総合医療センタ-は、電話やメ-ルで相談を受けるにんしんSOS2011年秋に開設しています。こうした妊娠に対する支援が新生児・乳児に対する虐待を務めるためには大切となります。

(2015年10月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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