高齢者医療制度

 日本は、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入する国民皆保険を実現しています。65歳以上の高齢者では、75歳未満を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。前期高齢者は、原則として自営業者らが加入する国民健康保険(国保)が、会社員ら雇われて働く人が加入する協会けんぽ、健保組合などの被用者保険に加入しています。勤め先を退職した後は、国保に入るか、または、一定の条件の下で被用者保険を任意継続するかを選択します。ただし、任意継続できる期間は最長で2年です。75歳以上の後期高齢者になると、すべての人がそれまで加入していた国保や被用者保険から後期高齢者医療制度に移ります。一般的に高齢になるほど医療費がかさむことから、費用負担のあり方を明確にするため、2008年度に独立した制度として設けられました。
 かかった医療費の患者負担割合は、基本的に70歳以上75歳未満では2割に、後期高齢者となる75歳以上では1割に軽減されます。70歳以上でも課税所得が145万円以上などの現役並み所得者は、3割負担となります。65歳以上の医療費は、2013年度で約23兆円と国民医療費の約6割を占めています。

(2015年11月29日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)

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