OC・LEPの悪性腫瘍リスク―Ⅳ

大腸がん

 大腸がんは2013年における日本人女性の悪性腫瘍による死亡数の第1位、2011年の罹患数では乳がんに続いて第2位です。全年齢層で年間52,820人、40歳以下でも1,445人の女性が罹患します。また、生活様式の西洋化に伴い、罹患率は上昇しています。従来より、閉経後に施行されるホルモン補充療法を含めて、女性ホルモン投与は大腸がんリスクを低下させることが知られています。
 これまでの報告では一貫してOC服用による大腸がんリスクの低下が示されており、オッズ比(OR0.862と有意なリスク低下を認めています。ただし、卵巣がんや子宮体がんのようなタイムトレンドに対する有意差はなく、服用期間が長いほど大腸がんリスクが下がるというエビデンスは示されてはいません。また、OC服用による大腸がんの予防効果についても、いまだ明らかではないと考えられています。

日本における大腸がん、乳がん罹患者数の年次推移
(がん情報サービス:グラフデータサービス)
(吉村 やすのり)

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