年功型賃金

 年功型賃金制度とは、賃金が低い若手の頃に経験を積み、ベテランになったら経験を活かして若手を指導しつつ、年齢に応じた賃金をもらう賃金制度です。これまではこの年功序列型が普通でしたが、低成長下で賃金の底上げが難しい中、人数が減っていて非正社員も多い若手の不満がたまりやすくなっています。子育て世代の処遇を改善するためにも、年功序列の賃金を見直し、労働生産性に見合った体系に移行することが大切です。
 最近では年齢に応じた賃金の上昇幅を小さくしたり、仕事内容や結果に応じて賃金が変わる役割給や成果主義を取り入れたりする企業も増えてきています。しかし、成果主義には、賃金の変動が激しい、公正な評価が難しい、長期的な価値やチームワークより目先の利益や自分が優先になるなどの指摘もあります。また中高年は、教育や介護などの費用が増える世代であり、その時期の収入を年功型が保障してきた側面もあります。

(2016年5月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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