就活の前倒し

 企業の選考開始が、昨年は4月から8月に繰り下げられました。勉強時間を確保するとともに、留学する学生を増やすために、安倍政権が経済団体に要請したといった経緯がありました。しかし、就活長期化で学業に影響が出たうえ、大企業の後に中小企業が採用する順番が崩れて内定辞退が続出しました。内定と引き換えに就活を終えるよう迫る、就活が終われハラスメント(オワハラ)が問題化しました。そのため見直しを求める声があがり、経団連は今年の選考開始を6月に繰り上げました。
 就活の日程は2年連続で変わりました。昨年は勉強時間の確保などのため、選考を4月から8月に繰り下げましたが、学業の阻害や内定辞退多発が問題となり、今年は6月開始に変更することになりました。通常、秋から1年留学すると、試験などを終えて帰国するのは6月以降になることが多くなります。突然の日程変更により、留学を切り上げて帰国しなければならないケースも出てきています。こうした就活の日程の変更は、急に決めるのではなく、少なくとも2年以上の猶予期間を設けるべきです。

(2016年5月16日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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