受動喫煙

 喫煙者本人のリスクについては、肺がんのほか肝がんや胃がんなど数多くがすでに確実とされていますが、受動喫煙によって肺がんになるリスクが1.3倍に高まることが明らかになっています。厚生労働省の調査でも、受動喫煙により脳卒中や心筋梗塞など、様々な病気のリスクが高くなることが示されています。受動喫煙の影響を調べる段階は終わり、対策を取るべき段階になっています。
 海外では、法律で職場とレストラン、居酒屋・バーの全面的な禁煙を定めている国も多くなっています。これらの国や地域の調査では、全面禁煙が法制化された後、喘息などの呼吸器疾患による入院のリスクは24%下がったとされています。急性心筋梗塞などは15%、脳卒中なども19%減り、禁煙の範囲が広いほど減少幅も大きいとされています。レストランなど公共の場所だけではなく、住宅での受動喫煙の影響も見逃せません。世界では公共施設などでの禁煙を法制化する国が増えてきています。日本も東京五輪に向けて、公共施設での禁煙を法制化することが必要となります。

(2016年11月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。