同一労働同一賃金

 同一労働同一賃金の導入については、業種ごとに一律の基準を設けるのではなく、同じ企業内での正社員と非正規社員の間に限って実現を目指すことになりそうです。企業間で賃金の格差が生じるのは認めています。バブル崩壊後に非正規社員の比率を上げてきた日本企業は、非正規でも正社員並みの仕事をする例が増えてきています。非正規社員の間では、正社員と同じ仕事をしているのに、給料を正社員より低く抑えられていることへの不満が強くなっています。政府は非正規の働く意欲を高めて深刻な人手不足を解消するには、同一労働同一賃金の実現が欠かせないとみています。
 フランスやドイツでは、業種ごとに同一労働同一賃金が定められ、労使交渉も業種単位で実施しています。職種や技能のレベルに応じて賃金が決まり、正社員と非正規の違いはありません。日本では、パートタイム労働者の時間当たり賃金がフルタイム労働者の6割弱にとどまっています。非正規労働者の賃金が上がれば、個人消費を押し上げる要因にもなります。

(2016年11月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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