新型出生前診断の臨床研究の解析結果

 妊婦の血液で胎児の染色体異常の有無を診断する新型出生前診断の臨床研究の成果が、仙台市で開かれる日本人類遺伝学会で発表される。報道によれば、新型出生前診断で陽性と判定された67名のうち羊水検査を受けた62名の中で以上が54名で確認された。そのうち1名の未定者をのぞき、53名が中絶を選択したとのことである。

 この検査を受けるクライエントは、「陽性の場合は出産をあきらめる」と決めた上で実施施設を訪れる例が多い。そのため、カウンセリング時に「産む選択を強要される」として小児科医の同席を拒否するケースがみられることもあるという。今後は遺伝カウンセリングのあり方をもう一度考え直す必要がある。

 中絶の背景には、クライエントに障害を持つ子を産み育てることに不安を抱かせるような社会の状況がある。この社会のあり方を変えていかなければ、この問題はいつまで経っても解決できないと思われる。

(2013年11月22日 毎日新聞)

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