所得税改革

 所得税は、個人の給与所得や利子所得、退職所得などに課される税のことです。所得から一定額を差し引ける所得控除で課税対象額を減らした後、税率をかけて計算されます。政府は主に専業主婦の世帯を優遇する配偶者控除など様々な控除を見直し、所得税の抜本改革を目指しています。所得控除を適用する目的は、税金を納税者の負担能力に応じて課すことにあります。所得控除には、会社員の給与収入から一定額を必要経費として差し引く給与所得控除や医療費控除などがあります。
所得控除は同じ控除額であっても、税率の高い高所得者ほど負担軽減のメリットが大きくなります。政府は全ての所得控除を見直して、結婚し子どもを育てようとする若い世代を後押しする税制に切り替えようとしています。年金受給者に適応される公的年金等控除が、給与所得者の給与所得控除より手厚く、税負担が軽くなるといった、世代間の公平性の問題もあります。所得税改革は改正前後の税収額がほぼ変わらないことを目指しています。低所得の若者世帯の負担を軽減するため、高所得の高齢者には一定の負担を求めることも考えなければなりません。高齢者の高所得者には応分の負担を求めるべきです。

(2015年5月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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