E型肝炎

 E型肝炎ウイルス感染によって、肝臓に炎症が生じ、肝細胞の破壊や肝機能低下を起す病気です。ウイルスに汚染された水や食品を飲食することにより感染します。アジアやアフリカなどの衛生環境不良な発展途上国で、流行する急性肝炎です。約6週間の潜伏期間を経て、発熱や腹痛、黄疸、肝機能低下などの症状が出ます。通常は一定期間安静にすることで自然に治りますが、急激に症状が悪化した場合、肝硬変へ進展し、肝臓移植などの治療が必要になることもあります。
近年、腹痛や発熱を引き起こし、重症化することもあるE型肝炎の患者が増えています。2014年に154人には達し、過去最多を更新しています。日本では、海外からの帰国者が発病する病気と考えられてきました。しかし、ウイルスに汚染された豚、イノシシ、鹿の肉やレバ-などの内臓を生で食べたことにより、感染が広がっている実態が分かってきています。厚生労働省の専門家調査会は昨年、E型肝炎ウイルスに感染する恐れがあるなどとして、豚の肉や内臓などの生食を禁じるべきだとする報告書をまとめています。

(2015年5月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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