東京都の人口減少

 東京都は、政府の地方創生戦略が出生率の低いまま進んだ場合、2050年に都内人口が約1千万人に落ち込むと推計しています。2039歳の若年女性は、40年までに半減し、1564歳の現役世代も半減する見込みです。今後、東京圏への人口転入を減らし、地方への転出を増やすことになると、東京全体も消滅可能性都市になりうることを示しています。
 東京の自治のあり方研究会の推計によれば、10年に1316万人だった東京の人口は、50年に1175万人に減るとされています。同時に高齢化が急速に進み、50年時点で総世帯のうち約2割が65歳以上の高齢者の単身世帯となり、高齢者のみの老老世帯を加えると約3割に達するとしています。
 人口減少の主たる原因である出生率の低さは、程度の差こそあれ0全国共通の問題です。東京対地方という単純な構図での論議より、少子化に歯止めをかけることが優先課題です。東京都は全国でも最も低い出生率であり、都自身も少子化対策にさらに力を注ぐべきです。東京も全く安心できる状況にありません。

(2015年5月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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