C型肝炎の特効薬

 肝臓がんの原因となるC型肝炎ウィルスの感染者は、国内に200万人程度いるとされています。現在の治療は注射によるインタ-フェロンなどの投与が主流ですが、人によって効果に差がみられます。厚生労働相の諮問期間である中央社会保険医療協議会(中医協)は、米製薬ギリアド・サイエンシズが開発した新薬「ソバルディ」(一般名ソホスブビル)について、保険適用を承認しました。1日分となる1錠の薬価は、61799円と高価です。
 このソバルディは経口薬で、C型肝炎のうち2割から3割を占める「2型」と呼ばれる遺伝子型の患者に効果があります。日本の臨床試験では、併用薬と共に12週間投与したところ、96%でウィルスが消失したとされています。飲み薬だけで治療できるようになったのは朗報となります。C型肝炎の患者は高齢者が多いことから、手軽さは大きなメリットです。インタ-フェロンで治らなかった患者に対しても、新たな治療薬として期待がされています。課題は価格が高いことで、12週間の投与で併用薬も含めると、約550万円もかかることになります。インタ-フェロンなどによる治療で治癒までにかかる薬価は約220万円ですから、300万円以上高くなる計算になります。 

 

(吉村 やすのり)

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