長期入院の子ども達の学習指導

 病気やけがで入院した子どもへの教育の実態を文部科学省が初めて調査しました。2013年度の1年間に30日以上の長期入院をした述べ6349人のうち、4割の2520人に授業にあたる学習指導が行われていませんでした。長期入院した子への小中学校の指導状況をみると、自校の教員が病院を訪問し、ベットサイドなどで指導している411校では、指導の回数は週1日以下が6割を占めています。
 長期入院の場合、病院内に分教室や分校を置く特別支援学校などに転校することが一般的です。ただ、入院と自宅療養を繰り返す場合などは、転校をしないことも少なくありません。文部省は、だれもが指導を受けられるように病院と学校をつなぐコーディネ-タ-の配置や、両者が連携するモデル事業を来年度にも始めることにしています。長期入院中の子どもに対する教育は、現実的には病院で考える必要があるように思われます。そのための病院に対する公的支援も必要になります。

(2015年5月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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