女性登用の数値目標の必要性

 女性の管理職の比率をいつまでに何割まで高める、そんな数字の目標を打ち出す企業が増え、安倍晋三政権も2020年まで3割の女性管理職を登用するという、いわゆる2030の導入を強く推進しています。ノルウェ-は、2003年以降、経済界の反発を押し切り、取締役の一定割合を女性にするよう企業に義務付ける法律を定めています。女性の登用と企業の成長相関ははっきりしなくても、世界の流れは明らかです。スペインやフランスも義務化しています。
 女性の管理職登用に関しては、さまざまな考え方がありますが、国際労働機関(ILO)の最新の報告書によると、108の国・地域別ランキングで、日本の女性管理職の比率は11%にとどまり、世界96位です。労働力が細る見通しと女性の積極的な登用が不可欠との認識に異議を唱える人はありません。世界の底辺に近い日本のデ-タを見限り、掛け声や柔軟な運用を心掛けるだけで済まないと思います。クオ-タ制のような強制力を伴う枠組みを整えないと、大きな変化は望めそうにありません。

(2015年5月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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