年金情報の流出

 年金を運営している日本年金機構が、サイバ-攻撃を受けました。機構が管理している年金加入者や受給者の基礎年金番号の情報が、氏名や生年月日、住所とともに外部に漏れました。流出は約125万件を上るとみられています。基礎年金番号は、年金加入記録を管理するため原則1人に一つずつ割り当てられる番号です。国内で20歳になると、全員が国民年金への加入を義務づけられ、その際に通知されるのが一般的です。2013年度末時点で加入者6718万人分、受給者3950万人分の番号があります。
 年金は保険料を納めた期間や金額によって受け取れる額が変わるため、記録を正確に把握する必要があります。基礎年金番号が導入されたのは1997年です。それまでは自営業者らが入る国民年金や会社員向けの厚生年金、公務員らの共済年金という制度ごとに別々の番号がありました。転職すると番号を複数もつことになって管理が大変なので、一元的に管理できるように共通番号として導入されました。しかしながら、すべての年金が一元的に管理されているわけではなく、その手続きは大変複雑です。
個人的なことですが、これまで働く場所が何回も変わったために、それにより年金の種類が異なり、65歳になる前には手続きに多くの時間が要しました。多くの時間を費やしましたが、本当に手続きが完了したかは不明です。マイナンバ-が行政手続きの効率化をはかるといった目的で、来年1月から運用が始まります。こうしたデ-タの流出が起こると不安にならざるを得ません。より高度な情報管理が求められます。

(2015年6月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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