BSL4とは

 エボラウイルスなど危険性の高い病原体を扱う能力のあるBSL(バイオ・セ-フティ-・レベル)-4施設が、国内で初めて稼働することになりました。国立感染症研究所・村山庁舎(東京都武蔵村山市)は1981年に完成しましたが、住民の反対などがあり、これまで危険性が1段低いレベル3施設として利用されてきました。昨年、エボラ出血熱が西アフリカで大流行し大量の死亡者も出ました。欧米では、西アフリカからの帰国者の感染が相次ぎ確認されるなど世界的な脅威となり、日本でもレベル4施設が必要との声が高まっていました。
 感染研の施設は、ウイルスが外に漏れないよう周囲より気圧を下げるなど、世界保健機構(WHO)の指針に沿った設備を整えています。今後はウイルスを生きたまま解析したり、培養したりして、感染経路の特定やワクチン開発に道が開けることになります。しかし、村山庁舎の近くには学校や住宅があり、いまだに周辺住民の不安は根強いものがあります。レベル4施設の稼働で感染症研究の進展が期待されますが、そのためにも徹底した安全対策が必要です。

(2015年8月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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