C型肝炎の検査

 肝臓は沈黙の臓器といわれるように、自覚症状が出ないため本人は感染しても気づきません。血液検査の肝機能の値も正常な方が多いため、通常の健康診断でも見つかりません。感染しているとわかっていても、自覚症状がないために放置することが多くみられます。C型肝炎の治療は大変だという過去のイメージから、治療を受けていない方も少なくないようです。C型肝炎はウィルスに感染した血液が体内に入ることで感染します。C型肝炎ウィルスはが発見されたのは1989年ですから、チエック体制が整備される前に輸血や血液製剤の投与で感染が広がってしまいました。
 血液検査でC型肝炎ウィルスの抗体値を測定します。抗体陽性率は高齢者で高くなっています。抗体が陽性の場合はウィルス‐RNA定量検査を行います。採血だけで簡単に終わり、1~数週間後に結果がわかります。過去に検査を受けたことがない人は受けるべきです。最近では輸血や血液製剤で感染することはほぼみられませんので、問題となるのは母子感染です。そのため、妊婦健診では全例検査することになっています。

(2016年3月6日 読売新聞)
(吉村 やすのり)


 

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。