DNA鑑定で法律上の父子関係取り消せず

DNA型鑑定で血縁関係がないと証明されれば法律上の父子関係を取り消せるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1法廷は17日、父子関係は取り消せないとの初判断を示した。科学的鑑定より法律上の父子関係を優先させることが確定した。科学的根拠に基づいて夫と子との血縁関係が否定された場合はに、民法772条の第1項「妻が結婚中に妊娠した子は夫のこと推定する」(嫡出推定)規定の例外となるかが争点だった。

DNA鑑定で父子関係が証明されたとしても子どもの父親になることができない判断が最高裁で下された。妻が婚姻関係がある時に懐胎した子どもは、夫の生物学的な子どもでなくても夫の子として認定されることになる。法律家 の間でも意見はわかれており、法的な親子と事実上の親子との間にねじれが起きることになることから、実情を踏まえた法整備が必要だとするもの、DNA鑑定だけで父子関係を覆せることになると子の身分が不安定になるとの考え方をするものもいる。

(生殖医療と生命倫理:吉村泰典)

(吉村 やすのり)

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