大阪大のグループは、ヒトのiPS細胞を用い目の発生段階を再現し、本物に近い角膜上皮を作ることに成功しました。他人からの角膜の提供に頼っていた移植に代わり、新しい治療方法につながる可能性があります。2年以内に患者への移植を目指しています。
特殊なたんぱく質で作った足場の上でiPS細胞を培養した結果、4種類の細胞層に自然と分かれ、同円心状に広がる組織を構築することができました。このうち角膜の元になる細胞を取り出してシート状にし、角膜上皮を作り、ウサギ7匹の目に移植しました。シートの効果で瞳が透明になることを確認しています。角膜は血管が通っていないため、iPS細胞ががん化して増殖する可能性は低く、これまでの研究でも問題は起きていないとのことです。
(2016年3月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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