iPS細胞から心臓と軟骨再生

 iPS細胞を創薬に応用する一環として、ヒトのiPS細胞から作った心筋の細胞などを組み合わせた心臓のモデルを作製しています。iPS細胞から作った心筋や血管の元になる細胞などを接着剤のたんぱく質と混ぜ、10層に積み上げて心臓の組織の再現に成功しました。これらの心臓のモデルを利用して、薬の副作用の研究につなげようとしています。
 さらにヒトのiPS細胞から作った軟骨で、ヒトの耳の形を作り、動物の皮下でもきちんと維持させることに成功しています。生まれつき耳の形が完全に形成されない小耳症の患者の耳を再建する治療などに利用できる可能性があります。この耳の形になった軟骨が再建手術に利用できるかを検討するため、ラットの背中の皮膚の下に移植し、移植後も形を維持し、耳の軟骨に近い硬さを保っていることが確認できています。このようにiPS細胞を利用した創薬・再生医療の研究が進んでいます。

(2016年3月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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