STAP細胞の検証実験

理科学研究所が8月27日に公表したSTAP細胞の検証実験の中間報告によれば、22回実験してもSTAP細胞は作製できていないとのことである。小保方氏と同様の方法で、マウスの脾臓から血液細胞を取り出して弱い酸に浸し、7日間培養した。半数ほどの実験において、細胞の塊ができ、緑色の蛍光もでたが、波長を変えて観察すると赤色の光も発していた。これは細胞が死ぬ時に見られる自家蛍光に似た現象である。

3月の最終報告に向け、別系統のマウスを使用したり、脾臓ではなく肝臓などの他の臓器を使用したり、細胞膜に穴を開けたり、化学物質で刺激するなどさまざまな方法を試みる予定であるという。しかし、もし万能性を示す緑色の蛍光のみの細胞が出たとしても、光っただけでは不十分で、細胞をマウスの胚に入れて、全身の組織に育つことを確認する必要がある。

STAP細胞の存在を証明することは、極めて難しい状況になってきたといえる。

(2014年9月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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