子宮頸がん―Ⅱ(ワクチン)

 HPVワクチンは、子宮頸がんを予防するワクチンです。現在、サーバリックスとガ-ダシル2種類のワクチンが承認されています。どちらのワクチンも、子宮頸がんの70%、肛門がんの80%、腟がんの60%、外陰がんの40%の原因となる高リスク型HPV16/18型)感染を予防します。ガ-ダシルは、尖圭マンジロ-マの90%の原因である低リスクである低リスク型HPV(6/11)も予防します。
 HPV6/11/16/18型に対する4型ワクチンと16/18型の2型のワクチンが、2006年より世界50数ヶ国で承認されています。わが国でも20134月より、予防接種法に基づく定期接種として、中学1年生から高校3年生担当の女子に開始されました。しかし、接種の後原因不明の痛みを訴えるケ-スが続発し、厚生労働省は、定期接種としての接種は継続するものの、全国自治体に対して積極的に接種を呼びかけることを中止するように求めています。
 しかし、WHO20137月の公式見解で、「日本から報告されているような慢性疼痛は、世界では使用の増加にも拘らず、同様の微候が認められていることより、HPVワクチンを疑わしいとする理由はない」としています。WHOは、ワクチンは子宮頸がん予防のために極めて効果的で経済的な手段と位置付け、繰り返し定期接種を導入すべきとしています。

(吉村 やすのり)

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