わが国の研究力の低下

 近年のわが国の研究力の低下は著しく、政府の総合科学技術・イノベーション会議は、日本の科学技術力の底上げに向け動き出します。若手研究者の海外派遣者数を、2030年度までの5年間の累計で3万人に引き上げます。博士課程に在学する学生への経済面の支援を充実させ、2030年に博士号取得者数を現状から約2割増となる2万人に増やすことなどを決定します。

 日本は博士号取得者数が中長期的に減少傾向にあり、右肩上がりの米国と中国の4分の1以下にとどまっています。大学や公的研究機関といったアカデミアへの就職を希望した場合、ポストドクター(博士研究員)としてまずは任期付きのポストに就くのが一般的です。実績を出し続け、大学の助教や准教授など終身雇用のポジションにたどり着くのは早くても30代です。

 文部科学省によれば、86の国立大学で40歳未満で終身雇用である任期無しのポストについた人数は2024年で4,630人で、1万888人だった2007年から半分以下になっています。限られたポストも経済面で米国に劣ります。米スタンフォード大学の教授の平均給与は2562万円、助教でも1358万円です。日本の国立大学などの教授の平均は1052万円で米国の大学の助教よりも低く、最近の円安傾向でその差はさらに広がっています。

(2026年6月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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