ゲノム編集などの技術で遺伝情報を改変したヒトの受精卵を子宮に移植することを禁止する法案が今国会で審議入りします。違反した場合、10年以下の拘禁刑または1千万円以下の罰金が科されます。ゲノム編集は、従来の技術よりも高い精度で簡単に生き物の細胞の遺伝情報を改変できます。
2018年に子どもがHIVに感染しないようにする目的で、中国の研究者がゲノム編集をした受精卵から双子の女児が誕生しました。中国の研究者の発表を受け、世界はゲノム編集ベビーを法律などで規制する方向に進みました。政府が提案した法案では、ゲノム編集などの技術を用いたヒトの受精卵や精子・卵子の生殖細胞を、ヒトや動物の子宮に移植することを禁止します。
日本では、生命倫理が問われる課題について、大きく三つの区分でルールが作られています。一つ目が、日本産科婦人科学会などの学会ルールで、ゲノムを改変せず受精卵の遺伝子を調べる着床前検査がこれに当てはまります。二つ目が、国の定める指針で、受精卵を使った研究などが対象になります。三つ目が法律で、ヒトのクローンの作製については法律で厳しく規制されています。

(2026年6月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





