内斜視の増加

 京都大学の研究チームによれば、日本国内でスマートフォンが急速に普及した時期に、片方の目が内側に寄って物が二重に見える内斜視が増えたことを全国規模のデータで確認しています。患者の増え方は、スマホ利用者の急増に比べると限定的なため、チームはもともと内斜視になりやすい素因を持つ人たちが、スマホの利用で発症を誘発された可能性があると分析しています。

 発生数は、2014年の4万997人から2019年の4万6,338人へと年を追うごとに増加し、人口10万人当たりの発生率は32.26人から36.61人に上昇しています。手術件数も3,061件から3,743件に増えています。総務省の調査で、同期間のスマホの世帯保有率は64.2%から83.4%に急増していますが、内斜視の発生率は、この保有率の上昇と強い相関を示しています。

 内斜位という先天的な素因を持ちながらも、本来なら一生発症しないか、さらに年齢を重ねてから発症するはずだった人たちが、スマホの過剰使用をきっかけに発症した可能性があります。

(2026年6月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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